霜降り明星 特集:M-1王者に輝いた若手最強コンビの魅力
霜降り明星(しもふりみょうじょう)は、2018年のM-1グランプリで史上最年少優勝を果たしたお笑いコンビです。ツッコミ担当の粗品(そしな)とボケ担当のせいやから成り、2013年の結成以来テレビやラジオ、舞台からYouTubeまで幅広く活躍しています。その勢いは「お笑い第7世代」の筆頭格とも称され、若手ながら業界をリードする存在となっています。今回は一般のお笑いファンに向けて、霜降り明星のプロフィールからM-1優勝までの道のり、バラエティでの活躍、YouTubeなど新メディア展開、そして最新の動向と今後の展望まで、詳しく解説します。
1. 霜降り明星のプロフィール
メンバー紹介:せいや(石川 晟也)
せいや(本名:石川 晟也〈いしかわ せいや〉)は1992年9月13日生まれ、大阪府東大阪市出身です。霜降り明星ではボケ担当で、立ち位置は左側。幼少の頃からお笑いが大好きで、小学生で「中島ミート」、高校生で「ドンパルトン」というコンビを組みテレビ出演した経験もある生粋の芸人です。舞台上では全身を使ったアクティブなボケを繰り出し、ステージを縦横無尽に駆け回るパワフルさが持ち味。一方でトーク番組ではツッコミに回る器用さも持ち合わせており、モノマネや歌ネタも得意とするなど多才です。明るく愛される人柄で、先輩芸人の博多大吉から「粗品に足りない明るさと人に好かれる要素を全て持っている」と評されたこともあります。
メンバー紹介:粗品(佐々木 直人)
粗品(本名:佐々木 直人〈ささき なおと〉)は1993年1月7日生まれ、大阪府大阪市出身です。霜降り明星ではツッコミ担当で、立ち位置は右側。高校時代から芸名「粗品」で活動し、なんと高校3年生で『R-1ぐらんぷり2011』準決勝に進出するほどの実力を持つ逸材でした。大学入学後はピン芸人として活動しつつ、後にせいやを誘いコンビを結成します。ツッコミスタイルは独特で、スポーツ実況のような勢いある口調と体言止めの一言ツッコミが特徴。ボケに対して的確かつ高速でツッコむ様子は、同業のナイツ土屋から「初めて見た時漫画のフキダシが見えた」と言われたほど分かりやすく痛快で、観客に「ここが笑いどころだ」と伝える発明のようだと評価されています。2019年にはピン芸人日本一を決めるR-1ぐらんぷりで優勝も果たし、M-1とR-1の二冠という史上初の快挙を成し遂げました。現在はテレビ番組MCやYouTuber、作曲家としても才能を発揮し、多方面で活躍しています。
コンビ結成の経緯
霜降り明星の2人は高校生の時に出場したお笑い大会『ハイスクールマンザイ』で出会いました。粗品は高校の同級生と組んだコンビ「スペード」で2009年大会決勝に進出し注目を集め、一方のせいやは「スペードを倒したい」との思いで別の相方と「ドンパルトン」を結成し2010年大会に挑戦。近畿地区予選で両者が初めて顔を合わせたことが交流のきっかけとなります。大学進学後、ピン芸人として活動を始めていた粗品がせいやにコンビ結成を持ちかけ、2013年1月に霜降り明星を結成しました。コンビ名「霜降り明星」は、せいや発案の「霜降り」と粗品発案の「明星」を組み合わせたものです。縁起が良さそうという理由で「霜降り」、そして「明星」は当初「自分が暗い分、相方には明るいスターになってほしい」という意味だと語られていましたが、実は粗品が当時好きだったアニメ『瀬戸の花嫁』の登場人物「不知火明乃 明星」から取ったものだと後に明かされています。こうした遊び心もコンビ名に表れているように、学生時代から互いを知る2人の間には結成当初から強い絆と信頼関係がありました。
芸風・ネタの特徴
霜降り明星の芸風は主に漫才で、中でも設定を盛り込んだコント漫才が中心です。特徴的なのは、通常のコント漫才と異なりせいやだけが役に入り込む点です。舞台上でせいやが警官や子供など様々なキャラクターになりきり、所狭しと暴れ回るようにボケを展開します。それに対し粗品はマイク前に立ったまま、まるでスポーツ中継の実況アナウンサーのように畳みかけるテンポでツッコミを入れていきます。このとき粗品が多用する体言止めの短い一言ツッコミ(例:「◯◯か!」のように名詞でキレよくツッコむ技法)は、霜降り明星の代名詞とも言えるスタイルです。漫才中、2人が掛け合いで会話する部分は導入程度で、いったんコントに入ると「ボケのせいや vs ツッコミの粗品」という構図で一気に笑いを畳みかけます。ネタ作りはせいや・粗品の両者が行い、毎回テーマを決めた上でそれぞれがボケ案とツッコミ案を持ち寄りパズルのように組み合わせて完成させるスタイルです。緻密に作り込まれた台本と即興性を感じさせるライブ感を両立させており、その完成度の高さが評価を受けています。
先輩芸人からの評価も高く、NON STYLE石田明は「粗品は元々ピン芸人でフリップネタをしていたが、せいやが“動くフリップ”の役割を担っている。せいやを見ずにツッコむ場面もあるが、あれはもうフリップ芸を発展させたもの」と独創的なスタイルを分析しています。またM-1グランプリ2018決勝で見せたネタについて「このテンポは普通真似できない。“M-1映え”するネタだ」と絶賛しました。土屋伸之(ナイツ)も「漫画の吹き出しのようにわかりやすいツッコミ」と粗品を評し、博多大吉(博多華丸・大吉)は「2人が揃うことで強さを発揮している」とコンビのバランスを高く評価しています。斬新かつ王道を押さえた芸風で視聴者のみならず業界内からも支持を集めているのが霜降り明星の魅力です。
2. M-1グランプリ優勝への道のり
過去の挑戦と着実なステップアップ
霜降り明星は結成翌年の2014年から漫才日本一決定戦「M-1グランプリ」にエントリーし始めました。当時から実力は注目されていましたが、最初の挑戦となったM-1グランプリ2015は3回戦敗退という結果に終わります。翌2016年・2017年大会では準決勝まで進出し、着実に勝ち上がるも決勝進出はならず、敗者復活戦でもあと一歩及びませんでした。しかしこの間に実力を磨き上げ、2017年には若手登竜門とされる「ABCお笑いグランプリ」で優勝し、一躍業界で注目される存在となります。さらに2018年2月には読売テレビ主催「ytv漫才新人賞」で優勝し、関西の漫才賞レースを次々制覇。こうした実績を積んだ自信を胸に、満を持して挑んだのが2018年のM-1グランプリでした。
2018年M-1グランプリ決勝ネタと劇的な優勝
2018年12月2日、霜降り明星は遂に初のM-1グランプリ決勝の舞台に立ちます。ファーストラウンド(決勝1回戦)ではエントリーナンバー9番で登場し、ネタ「豪華客船」を披露。お金持ちになったら豪華客船で世界一周したいというせいやの妄想をベースに、船上でのドタバタ劇をせいやがコミカルに熱演、粗品が鋭く畳みかけるようにツッコむ爆笑漫才で会場を沸かせました。その結果、ファーストラウンドをトップ通過し最終決戦へ駒を進めます。
最終決戦ではネタ「子どもの頃」を披露。せいやの幼少期の思い出話を軸にしたこの漫才でも、せいやは子どもになりきって全力でボケ倒し、粗品が終始テンポよく突っ込み続けます。観客と審査員を巻き込む勢いそのままにネタをやり切り、平成最後のM-1チャンピオンにふさわしいパフォーマンスを見せました。その結果、決勝進出常連だった強豪和牛との接戦を4対3の僅差で制し、見事M-1グランプリ2018の王者に輝きます。優勝が決まった瞬間、せいやは「よっしゃー!」「やったー!」と大声で喜びを爆発させ、舞台裏で見守っていた他の決勝進出者たちも拍手でその快挙を称えました。
この優勝により、霜降り明星は史上初の平成生まれコンビによるM-1チャンピオンとなり、当時の最年少優勝記録も更新しました。審査員長を務めたダウンタウン松本人志も「漫才を盛り上げてくれた」と目に涙を浮かべる場面があったほど、劇的で価値ある勝利でした。まさにこの瞬間、霜降り明星は全国区の存在となり、日本中のお笑いファンにその名を刻みました。
優勝後の反響と飛躍
M-1優勝直後から、霜降り明星の周囲は一変しました。まず優勝翌日のテレビ出演ラッシュに加え、2019年には活動拠点を長年過ごした大阪から東京へ本格進出。拠点移転と同時に仕事はさらに増え、冠番組やラジオ番組のレギュラーが次々と決定します。例えば2019年4月からはニッポン放送『霜降り明星のオールナイトニッポン』がスタートし、深夜ラジオで若者から熱狂的な支持を集めました(後述)。テレビでも2019年4月より初の冠バラエティ『霜降りバラエティ』が始まり、彼らの魅力を存分に発揮する場となります。さらに粗品は2019年3月、『R-1ぐらんぷり2019』決勝で念願のピン芸人日本一に輝き、M-1との二冠達成という偉業を成し遂げています。こうした快進撃も相まって、霜降り明星は2019年上半期ブレイク芸人ランキングやテレビ出演本数急増ランキングで軒並み1位を獲得し、10代から50代まで全世代で支持される存在となりました。
優勝による知名度急上昇は仕事量だけでなく彼ら自身の成長にもつながりました。忙しい日々の中で磨かれたトークスキルや立ち居振る舞いにより、今や霜降り明星はバラエティ番組に欠かせない存在です。M-1優勝から数年で一発屋に終わることなく確固たる地位を築けたのは、受賞後も努力を惜しまなかった結果と言えるでしょう。2019年には上方漫才協会大賞特別賞、さらに2025年には特別功労賞を受賞するなど、業界内からの評価も年々高まっています。M-1優勝はゴールではなくスタートだった――霜降り明星はその言葉通りの飛躍を遂げ、今も第一線で輝き続けています。
3. バラエティ番組での活躍
冠番組「霜降りバラエティ」で見せた新境地
M-1優勝後、霜降り明星が真っ先に任されたのがテレビ朝日系の冠番組『霜降りバラエティ』です。2019年4月に放送開始したこの深夜バラエティは、霜降り明星の2人が毎回体当たりの企画に挑戦する実験的な番組でした。せいや・粗品それぞれの個性を活かした企画(せいやのムチャぶりロケや、粗品のギャンブル企画など)が視聴者の笑いを誘い、SNS上でも「深夜なのに笑いすぎて眠れない」と話題に。人気企画には、せいやが様々なキャラクターに扮して街に繰り出すコントコーナーや、粗品が他の若手芸人と即興大喜利で対決する企画などがあり、毎回新鮮な笑いが生まれました。番組は深夜帯ながら安定した人気を保ち、2020年以降は『霜降りバラエティX』とタイトルを変えてリニューアル。放送時間の拡大や特番放送も行われるなど順調に番組は続きました。残念ながら一旦2024年6月でレギュラー放送を終了しましたが、約5年間にわたる放送で培われたバラエティ対応力は、2人の大きな財産となりました。また番組自体もDVD化や配信で視聴するファンが多く、「深夜ならではの攻めた笑い」を提供した番組として語り継がれています。
ラジオ「霜降り明星のオールナイトニッポン」での素顔
霜降り明星の魅力はラジオでも遺憾なく発揮されています。2019年4月からニッポン放送で始まった深夜ラジオ『霜降り明星のオールナイトニッポン』は、彼らの冠ラジオ番組です。せいや・粗品の軽妙な掛け合いと自由奔放なトークは深夜リスナーの心を掴み、放送開始当初から高い人気を博しました。番組内ではテレビでは話せないようなディープな笑いの話題や、2人のプライベートエピソード、リスナー投稿コーナーなど盛りだくさん。特に粗品の競馬好きが高じた「今日の馬券予想」トークや、せいやのオタク趣味全開のアニメ談議など、2人の素顔が垣間見える内容がファンに好評です。
放送開始からしばらくは深夜2時枠の『オールナイトニッポン0(ZERO)』でしたが、その人気ぶりからわずか半年で1部(週刊金曜1時)に昇格し、霜降り明星の勢いを象徴する出来事となりました。2020年にはラジオ番組として異例の「プラネット賞」話題賞を受賞する回もあり、業界内でも評価が高いことが伺えます。時にせいやの暴走トークに粗品が必死にツッコみ倒し、笑い転げる様子は“深夜の楽屋トークを盗み聞きしている”ようだとも言われます。彼らの掛け合いをノーカットで堪能できるラジオはファンにとって貴重であり、「毎週この時間が一番の楽しみ」と熱心に聴取するリスナーも多いです。ラジオという舞台でも才能を遺憾なく発揮する霜降り明星は、まさにオールラウンドなエンターテイナーと言えるでしょう。
その他のバラエティ出演とエピソード
冠番組やラジオ以外でも、霜降り明星は多くのバラエティ番組で引っ張りだこです。フジテレビ系のコント番組『新しいカギ』には2021年の番組開始当初からレギュラー出演しており、チョコレートプラネットやハナコといった同期芸人たちと共演しコントを披露しています。体当たりの仮装コントやキャラクター漫才にも挑戦し、その演技力と笑いのセンスで番組を盛り上げています。また地方局の静岡朝日テレビでは『霜降り明星のあてみなげ』(2019年4月〜)というローカル冠番組も担当。静岡ならではのゆるい雰囲気の中で、2人が街ブラロケや大喜利に挑戦し、地域のファンから愛されています。
先輩芸人との共演エピソードも数多く、特にダウンタウン浜田雅功がMCを務める『プレバト!!』では粗品が川柳才能査定で才能アリを連発し話題になりました。また明石家さんまが主宰するトーク番組では、せいやがさんま相手に物怖じせずボケ倒し爆笑をさらうなど、大御所相手でも臆さない度胸を見せています。同期芸人との仲も良く、M-1同年キングオブコント王者のハナコや、同期のコロコロチキチキペッパーズらとは互いの番組にゲスト出演し合う関係です。同世代ならではのフランクな絡みは視聴者にも好評で、「第7世代」の絆を感じさせます。
また、2024年にはフジテレビ夏の大型特番『FNS27時間テレビ』で霜降り明星が総合司会の大役に抜擢されました(チョコレートプラネット、ハナコと3組共同)。デビューから数年でテレビ局の看板番組の司会を任されるまでになったことは、彼らの成長と信頼の証と言えるでしょう。放送では持ち前の明るさと度胸で長時間の生放送をやり遂げ、先輩MC陣やスタッフからも高評価を得ました。このように霜降り明星は既に単なる若手芸人の枠を超え、番組を背負う存在感を発揮しています。バラエティの現場で培った経験と信頼を武器に、今後さらに大きな舞台で活躍していくことが期待されています。
4. YouTube活動と新しいメディア展開
「しもふりチューブ」の成功要因
霜降り明星はテレビや舞台だけでなく、YouTubeという新しいメディアでも大成功を収めています。2019年7月に開設した公式YouTubeチャンネル『しもふりチューブ』では、漫才やトーク、企画ものなど様々な動画を精力的に配信してきました。開設当初から「毎日18時に動画投稿」というハイペースな更新を掲げ、忙しいスケジュールの合間を縫ってコンスタントにコンテンツを提供。これがファンの習慣化につながり、チャンネル登録者数は急増しました。開設から約1年後の2020年10月には登録者数100万人を突破し、コンビ芸人のYouTubeチャンネルとして初の快挙となりました。さらにその後も勢いは止まらず、2025年1月時点で登録者数215万人・総再生回数16億回以上という驚異的な数字を記録しています。
「しもふりチューブ」人気の秘訣は、テレビでは見られない2人の素の表情と企画力にあります。たとえば、自宅でくつろぎながらゲーム対決をする動画や、街ブラロケの未公開シーン集、さらには2人の同期芸人を招いたコラボ企画など、多彩なコンテンツが楽しめます。粗品の編集センスも光り、テンポよく笑いどころを繋いだ動画は視聴者を飽きさせません。コメント欄には「毎日霜降りの動画が見られて幸せ」「テレビより伸び伸びしてて面白い」といった声が溢れ、若年層を中心に熱狂的な支持を得ています。YouTubeという自由な場を得たことで、霜降り明星は自分たちのアイデアを存分に形にし、新たな笑いを生み出しているのです。
SNSでの人気コンテンツ
霜降り明星はYouTube以外のSNSやインターネット上でも強い存在感を示しています。特にTwitterでは粗品・せいや各々が公式アカウントを運用し、日々の出来事や番組出演情報を発信。粗品は自身の競馬予想や大喜利的な一言ネタを投稿することが多く、フォロワーから「センスが光る」と注目されています。せいやもユーモア溢れる日常ツイートや、自作のあるあるネタ動画を掲載するなどしてファンとの交流を楽しんでいます。また、Instagramではテレビ収録のオフショットや舞台裏の様子を公開し、親近感のある人柄が伝わってきます。
さらに霜降り明星は個人でのネット活動も盛んです。せいやは趣味のゲーム実況や雑談を行うYouTubeチャンネル「せいやのイニミニチャンネル」を不定期で配信し、マニアックなゲーム愛を披露しています。一方の粗品は自身の公式YouTubeチャンネルで音楽活動を展開。自ら作曲したオリジナル楽曲やボカロP(ボーカロイドプロデューサー)として発表した曲を公開し、その才能をファンに届けています。粗品のチャンネル登録者数も2022年に100万人を超えており、芸人の枠を超えたクリエイターとして評価されています。
TikTokなどのショート動画プラットフォームでも、霜降り明星のネタ切り抜きや番組名場面が頻繁に拡散されています。彼らの高速漫才は短尺動画との相性も良く、「一度見たら止まらない」とリピーターになる視聴者も多いようです。テレビ・舞台・ラジオに加え、YouTubeやSNSといった新メディアを巧みに活用する霜降り明星は、まさに令和時代のお笑いスターと言えるでしょう。媒体ごとに異なる魅力を発揮し、あらゆる層のファンを獲得している点で、他の追随を許さない存在です。
5. 最新の動向と今後の展望
最近の活動やプロジェクト
霜降り明星は近年も精力的に活動の幅を広げています。2024年には前述の通り『27時間テレビ2024』で総合司会を務め上げ、大役を成功させました。この経験によりMCとしての評価も高まり、今後さらに大型番組の司会や進行役のオファーが増えることが予想されます。レギュラー番組では『新しいカギ』や『霜降り明星のあてみなげ』に引き続き出演しつつ、新たな挑戦にも意欲的です。たとえば演技の分野では、2人とも声優やドラマ出演の経験を重ねています。せいや・粗品は人気アニメ『ポケットモンスター』や『サザエさん』に本人役やゲストキャラクターの声で出演するなど、お茶の間の子ども達にも親しまれる存在となりました。2022年公開の映画『ONE PIECE FILM RED』ではそれぞれゲスト声優として参加し、大好きな作品への出演に本人たちも喜びを語っていました。
また、霜降り明星は定期的に単独ライブ(漫才ツアー)も開催しています。新ネタ下ろしからテレビではできないような実験的コントまで披露する単独公演は毎回チケットが即完売となる人気ぶりです。2023年には結成10周年記念ライブを開催し、全国各地のファンを沸かせました。舞台で培ったネタはそのままテレビやYouTubeにも活かされ、まさに好循環が生まれています。
個人の活動面では、せいやが2023年秋に結婚を発表しプライベートでも大きな節目を迎えました。相方の粗品や同期芸人が婚姻届の証人を務めたことも話題となり、祝福ムードに包まれました。粗品は相変わらずギャンブル好きを公言しつつも、2023年には自身がプロデュースする音楽イベントを開催するなど新たな挑戦を始めています。お互いがそれぞれの目標に向かって成長し続けている点も、霜降り明星というコンビの強さの秘訣でしょう。
お笑い業界での立ち位置と今後の方向性
霜降り明星は今や「若手」の域を超え、お笑い業界の中心的存在になりつつあります。M-1優勝直後は「お笑い第7世代」の旗手としてフレッシュさを買われましたが、以降の活躍で確固たる実力と安定感を示し、世代を問わず支持されるコンビへと成長しました。漫才師としてはもちろん、バラエティタレント、MC、ラジオパーソナリティ、ネット配信者など多面的な顔を持ち、テレビとネットの両方で成功している点で希有な存在です。他の芸人たちからも刺激を与える存在となっており、霜降り明星に憧れて芸人を志す若者も増えていると言います。
今後の展望として、霜降り明星はさらなる高みを目指していくでしょう。例えば、ダウンタウンやナインティナインといったレジェンド芸人がそうであるように、レギュラー冠番組を複数抱える国民的なコンビへと飛躍する可能性があります。実際、既にテレビ局からの信頼も厚く、将来的にはゴールデンタイムの大型番組で司会を任される日も遠くないかもしれません。加えて、彼らのクリエイティブな発想力を活かし、番組企画の立案やプロデュース業に乗り出すことも考えられます。粗品はネタ作りだけでなく音楽や脚本の才能も持ち合わせており、せいやも演技力や発想力に優れています。将来的に映画やドラマの制作・出演を手掛け、お笑いの枠を超えたエンタメ界で活躍するビジョンも描けるでしょう。
とはいえ、霜降り明星の根底にあるのは「漫才愛」です。どれだけ活動の場が広がっても、2人が揃えば常に全力で笑いを追求してきました。今後も定期的に新作漫才を生み出し続け、賞レースで培った「笑かしたら勝ち」という精神でファンを楽しませてくれるに違いありません。お笑い界の次代を担う存在として、霜降り明星の挑戦はこれからも続きます。その姿を、ファンも業界も大いに期待し注目しています。若手最強コンビから真のトップスターへ――霜降り明星の今後の歩みに目が離せません。