【令和ロマン特集】M-1連覇・新世代の漫才王者の結成から魅力まで徹底紹介

2/28/2025
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令和ロマンは、吉本興業東京所属のお笑いコンビです。2018年にプロ結成され、第19代・20代M-1グランプリ王者(2023・2024年)となり、令和時代を代表する若手漫才師として注目を集めています。

大学お笑い出身ならではの知性と独創性を武器に、漫才の頂点を連覇するという快挙を成し遂げた令和ロマン。その結成秘話から芸風、受賞歴、そして今後の展望まで、その魅力を深掘りします。


コンビ結成の経緯

令和ロマンの2人、高比良くるまと松井ケムリは、慶應義塾大学のお笑いサークル「お笑い道場O-keis」で出会いました。先輩(松井)と後輩(高比良)の関係だった2人ですが、ある飲み会でたまたま隣同士になったことがきっかけで意気投合し、その場のノリでコンビを組むことを決めたといいます。高比良は当時「隣に愛らしい人がいれば一緒に芸人として可愛がってもらえるかも」と考え、サークル内で一番丸々とした体型だった松井に声をかけたそうです。一方の松井は、もともとの相方が就職活動でお笑いから離れようとしていた時期で焦りを感じており、高比良の誘いに救われたとも語られています。こうして大学在学中の2015年頃にコンビが誕生し、大学のお笑い大会「NOROSHI」など学生芸人の舞台で活動を開始しました。

大学卒業後は吉本興業の養成所NSCに東京23期生として入学し、プロ芸人の道へ進みます。NSC卒業ライブでは見事優勝を飾り、その才能を早くも示しました。2018年のプロデビュー直後からヨシモト∞ホールのファーストメンバーに抜擢されるなど順調な滑り出しを見せ、2020年からは神保町よしもと漫才劇場に拠点を移して研鑽を積みます。ちなみに、コンビ名は結成当初「魔人無骨(まじんぶこつ)」というインパクトのある名前でしたが、「怖い」「読めない」など観客の反応が芳しくなかったことや、先輩芸人のトレンディエンジェル・たかしから改名を強く勧められたこともあり、2019年5月1日(令和への改元日)に現在の「令和ロマン」へと改名しました。新元号「令和」を取り入れたのは、平成ノブシコブシの徳井健太からのアドバイスによるもので、改名にあたって徳井や相方の吉村崇から使用の許可を得たエピソードも残っています。


メンバーのプロフィール

髙比良くるま(たかひらくるま)–ボケ担当

1994年9月3日生まれ、東京都練馬区出身。身長173cm、体重70kgという標準的な体格で、本名は髙比良直樹。幼少期からお笑いに強く興味を抱き、明石家さんま司会のバラエティ番組「踊る!さんま御殿!!」を見て育ったと語っています。中高一貫の名門校・本郷高校を経て慶應義塾大学文学部に進学しましたが、在学中に芸人の道を志し中退しました。大学のお笑いサークルで松井ケムリと出会いコンビ結成に至った経緯は前述の通りです。芸名の「くるま」は自分が運転免許を持っていないことを忘れないようにとの理由で名付けられたユニークなもので、実際その後2023年3月に念願の免許を取得したそうです。

ラグビー経験者でもある高比良は、豪快でエネルギッシュなボケを繰り出しつつも独特な視点とユーモアセンスを持ち合わせており、その発想力が令和ロマンの漫才に大きな影響を与えています。M-1グランプリ2023では4本ものネタを用意する綿密な戦略を立てるなど分析肌の一面もあり、自ら漫才論を綴った著書『漫才過剰考察』まで出版するなど漫才にかける情熱は人一倍です。

松井ケムリ(まついケムリ)–ツッコミ担当

1993年5月29日生まれ、神奈川県横浜市出身。高比良と同じく身長173cmですが、体重は85kgと恰幅の良い体型です(芸人仲間内でも「丸々とした愛らしさ」が親しまれています)。本名は松井浩一。私立桐朋高校を経て慶應義塾大学法学部を卒業した高学歴の持ち主で、在学中は卓球部に所属する一方、お笑いサークルとバンド活動にも精力的に取り組んでいました。幼い頃からお笑い好きで、雨上がり決死隊の人気トーク番組「アメトーーク!」を愛聴して育ったこともあり、バラエティ番組の笑いにも精通しています。芸名の「ケムリ」はヘビースモーカーであったことに由来し、本人曰く禁煙に挑戦した時期もあったそうです。松井は冷静沈着で博識なツッコミ役としてコンビを支え、その落ち着いたツッコミと豊富な知識量は令和ロマンの漫才において不可欠な要素となっています。

くるまの暴走気味のボケに対し、時に戸惑いながら的確に突っ込んでいくスタイルは観客に安心感を与え、漫才全体のバランスを巧みに取っています。なお両名とも幼少期から恵まれた家庭環境で育っており、高比良・松井ともに実家は裕福だと言われています。そのためか金銭的な焦りはなく、「好きな笑いを追求するために仕事を選んでいる」という独特のスタンスも彼らのキャラクターの一部となっています。


ネタの特徴や芸風

令和ロマンの芸風は正統派の漫才を軸にしながらも、コント(寸劇)的要素を巧みに織り交ぜた新感覚のスタイルが特徴です。一見すると二人の掛け合いによるしゃべくり漫才ですが、実際には高比良くるまが演じる高速な一人コントに松井ケムリが的確なタイミングでツッコミを入れていく独特の展開が持ち味です。例えば、高比良が妄想や奇想天外な設定の世界を次々と繰り広げ、横で傍観していた松井が「ちょっと待って!」と本人役のまま突っ込んで巻き込まれていく――そんなパターンが代表的です。このようにボケが創り出す非現実的な世界観と、ツッコミの現実的な視点がぶつかり合うことで生まれる笑いは、令和ロマンならではの持ち味と言えるでしょう。

漫才の内容には日常のあるあるネタから社会現象となった作品のパロディまで幅広く取り入れている点も令和ロマンならではです。髙比良くるま自身、子供の頃から明石家さんまをはじめとする「喋って笑わせる」大御所芸人に強い影響を受けており、巧みな話芸への憧れが根底にあります。また二人とも漫画・アニメやテレビドラマが好きで、その流行作品をモチーフにした漫才を披露することもしばしばあります。例えば2023年のM-1グランプリ準決勝で演じたネタ「猫の島」は、当初「猫祭り」という着想から生まれた設定漫才で、島というシチュエーションを加えたユニークな作品です。架空の猫だらけの島を舞台に繰り広げられるこのコント漫才は、「聞き取りやすい架空の設定」として観客を物語に巻き込み、大きな笑いを取りました。髙比良は『下町ロケット』『リーガル・ハイ』といったドラマも好みだと語っており、そうした人気作品への造詣を活かしたネタ作りで観客の共感と爆笑を誘っています。

ネタ作りは主に高比良がベースとなる案を考え、それを松井と話し合いブラッシュアップして仕上げる共同作業で行われています。題材としては日常の出来事や身近なテーマを取り上げることが多く、観客が共感しやすいシチュエーションや人物像を盛り込んで笑いに昇華するのが上手です。身近な世界を描きつつも、そこにシュールな展開や風刺的な要素を忍ばせるのが得意で、専門家からは「令和ロマンの漫才はシュールさと社会風刺を組み合わせた新しい形」と評されることもあります。

実際、「町工場」や「少女漫画」といった彼らの代表的なネタでは、現実的な職場や学校の風景を舞台にしながらも、どこか奇妙で非現実的な笑いの展開を見せています。特に「町工場」のネタはM-1グランプリ2023決勝戦で披露され、大きな話題となりました。町工場で働く人々の何気ないやり取りや独特の空気感を絶妙に誇張し、シュールなおかしみを引き出したこの漫才は審査員・観客双方から高い評価を受けています。テンポの良い掛け合いと細やかな演技力も相まって、令和ロマンのネタは終始観客を飽きさせず笑いに引き込む魅力に溢れています。


影響を受けた芸人やお笑いスタイル

令和ロマンの二人は、自身の芸風に多大な影響を与えた憧れの芸人として平成ノブシコブシの吉村崇を挙げています。高比良くるまは「吉村さんは劇場が満員で女子高生が熱狂する時代に、破天荒キャラで面白さだけを武器に芸能界を一段一段ボルダリングのように登っていった。本当に1番スゴい!」と語り、その存在に強い憧れを抱いていると明かしました。実はコンビ名「令和ロマン」も、この尊敬する先輩コンビである平成ノブシコブシにならって名付けられた経緯があります。旧コンビ名から改名する際、徳井健太(平成ノブシコブシ)から「次の元号を入れてみては?」と提案され、徳井と吉村の了承を得たうえで新元号「令和」を冠したという裏話があるのです。このエピソードからも、彼らが平成ノブシコブシのスタイルや心意気を受け継ごうとしている姿勢がうかがえます。

また、松井ケムリはハライチの澤部佑にも「めちゃくちゃ憧れている」と公言しています。澤部は漫才で頭角を現しつつバラエティ番組でも大活躍した稀有な例として知られますが、松井は「澤部さんってネタでテレビに出てきて、たまたま出たらめちゃくちゃ面白かった。本当に天才なんです!」と熱弁し、自身もその背中を追いたいと語りました。澤部のように舞台とテレビの両方で才能を発揮できる芸人は彼らにとって理想像の一つと言えます。事実、令和ロマンの漫才スタイル(ボケが繰り広げる世界にツッコミが巻き込まれる形)は、かつて澤部・岩井のハライチが確立した「状況漫才」の系譜にも通じる部分があり、そうした先輩芸人のエッセンスを令和ロマン流にアップデートしているとも評されます。

さらに、幼少期から影響を受けたお笑いとして、高比良は前述の明石家さんまのトーク番組やダウンタウンなど昭和・平成の大御所芸人のバラエティに親しんできました。松井も「アメトーーク!」のようなテレビのお笑い番組を熱心に視聴し、お笑いへの憧れを募らせています。こうした幼い頃からのテレビお笑い体験は、彼らの笑いの土台を築く上で大きな原体験となりました。大学のお笑いサークルで培った分析的な視点と、先輩芸人から受けた刺激、そして子供時代に刷り込まれたバラエティ魂――それらが融合した結果が、現在の令和ロマンのスタイルに結実していると言えるでしょう。


主な受賞歴や実績

デビュー以降、令和ロマンは各種お笑いコンテストで目覚ましい活躍を見せています。その主な受賞歴・実績をまとめると以下の通りです。

  • 2018年:NSC東京校23期卒業ライブ優勝(首席)
  • 2020年:「NHK新人お笑い大賞」優勝(令和2年度、大賞受賞)
  • 2023年:「M-1グランプリ2023」優勝(第19代王者)
  • 2024年:「第45回ABCお笑いグランプリ2024」優勝
  • 2024年:「M-1グランプリ2024」優勝(第20代王者、史上初の2連覇達成)
  • 令和ロマンは結成以来、数々の漫才賞レースで輝かしい実績を残してきました。まず注目すべきは、日本一の漫才師を決める大会M-1グランプリでの活躍です。彼らはNSC在学中の2018年から毎年M-1に挑戦し、2022年に準決勝進出。そして結成6年目の2023年大会で初の決勝進出を果たし、一気に優勝まで駆け上がりました。決勝戦ではトップバッター(1番手)という不利と言われる順番ながらも堂々と漫才を披露し、高得点を叩き出して最終決戦に進出。決勝3組による最終決戦では僅差の勝負を制し頂点に立ったのです。トップバッターでの優勝はM-1史上、中川家(2001年初代王者)以来の快挙でした。さらに彼らは勢いそのままに翌年のM-1グランプリ2024でも優勝し、M-1史上初となる2連覇を成し遂げます。前年王者として出場し、再び決勝の舞台で1番手から勝ち上がっての連覇達成という偉業は、お笑いファンのみならず業界内でも大きな話題になりました。結成5年9ヶ月での優勝は歴代でも屈指のスピード記録であり(それまで最速だった霜降り明星の5年11ヶ月を更新)、令和ロマンは名実ともに“M-1史上最強の覇者”との呼び声も高まり、現代お笑い界のトップランナーへと躍り出たと言えるでしょう。

    M-1以外の大会でも令和ロマンの活躍は目覚ましいものがあります。NHK新人お笑い大賞(令和2年度=2020年)では優勝を勝ち取り、漫才以外のネタでも高く評価されました。また若手お笑いの登竜門「ABCお笑いグランプリ」でも2022年・2023年と2年連続で準優勝し、2024年の第45回大会で悲願の優勝を果たしています。M-1王者が翌年ABCグランプリでも優勝するのは大会史上初の出来事で、「M-1に続いてABCまで制した」と大きく報じられました。さらに髙比良くるま個人としても、2024年にはForbes JAPAN 30 UNDER 30(世界を変える30歳未満の30人)に選出されるなど、お笑い以外の分野からもその才能と影響力を認められています。

    なお、キングオブコント(コント日本一を決める大会)については、令和ロマンはこれまで目立った戦績は残していません。漫才師として活動の軸がお笑いライブとM-1に置かれていたこともあり、KOCには本格参戦していない様子です。しかし漫才コントを得意とする彼らだけに、「もしキングオブコントに出れば面白い存在になるのでは?」と期待するファンの声もあるようです。今後タイミングが合えば、新たなフィールドであるコントの賞レースに挑戦する可能性もゼロではないでしょう。ちなみに松井ケムリはピン芸人としてR-1グランプリ(ひとり芸No.1決定戦)にも挑戦経験があり、2022年大会で2回戦進出、2023年大会では準々決勝進出とソロでも健闘しています。こうしたチャレンジ精神旺盛な姿勢も含め、彼らの漫才に対するストイックさが伝わってきます。


    ファンからの評価と人気の理由

    令和ロマンがここまで人気を博している理由には、彼らの確かな実力と真摯な姿勢が挙げられます。まず漫才の実力については、M-1連覇という結果が物語る通りプロ・アマ問わず高く評価されています。同業の芸人たちからも「もし自分たちが優勝したら翌年もう一度M-1に出るなんて考えられない。それでも再挑戦した令和ロマンは本当にすごい」という声が上がるほどで、そのストイックさと向上心はお笑い界でも一目置かれる存在です。実際、令和ロマンはM-1初優勝後も浮かれることなく劇場出演を精力的に続けました。通常、M-1王者になるとテレビ出演が増えて劇場(お笑いライブ)に出る機会が減りがちですが、彼らは翌年のM-1再挑戦を見据えてネタ磨きに励んだのです。所属の吉本興業も劇場中心の方針でこれを後押しし、結果的にライブシーンの熱心なファンの心を掴んで離さなかったと言われています。何より「漫才に真正面から向き合う姿勢」が観客にも芸人仲間にも伝わっていたため、前年王者でありながら再挑戦するという異例の行動にも否定的な声はほとんど上がらなかったようです。このエピソードは、彼らの人柄と芸に対する真剣さが広く支持されている証と言えるでしょう。

    また、高学歴コンビならではのインテリジェンスも魅力の一つです。漫才の台本作りに論理的な工夫が凝らされていたり、時事ネタやサブカルチャーを織り交ぜた知的な笑いが楽しめたりと、「考える笑い」が好きなお笑いファン層にも刺さっています。実際に髙比良くるまは漫才の分析本を執筆するほど研究熱心で、ネタ作りの裏側を語るインタビューでは「観客に“考察”させるような深みを漫才に入れたい」とも語っています。一方で、そうした知的な側面を感じさせない明るく親しみやすいキャラクターも彼らの武器です。髙比良の爽やかな風貌と松井のぽっちゃり体型から繰り出される軽妙なやり取りは、老若男女問わず笑いやすい雰囲気を作り出しています。難しいテーマでもポップに見せる巧みさ、逆にバカバカしい設定でも頭脳戦のように練られている二面性――こうしたギャップも令和ロマンの漫才に飽きが来ない理由でしょう。

    ファンからは「令和ロマンの漫才は何度見ても新しい発見がある」といった声も聞かれます。細かいボケの端々にマニアックなネタを忍ばせることも多く、観客が自ら気付いてクスッと笑える仕掛けが散りばめられているのです。例えば特定の世代や趣味の人にしか分からないワードを混ぜつつ、それがわからなくても笑えるように構成する巧妙さは「分かる人には分かる笑い」として密かな人気ポイントです。こうした芸の細部へのこだわりとサービス精神に、ファンは「令和ロマンは何度見ても面白い」「ライブで生で観るとさらに凄さが伝わる」と熱狂しています。M-1グランプリという大舞台で結果を残しつつも、足元の劇場ライブを大切にする二人の姿勢がファンの信頼につながり、熱い支持を得ているのでしょう。


    メディア出演歴:テレビ・ラジオ・YouTubeでの活躍

    M-1連覇によりお茶の間での知名度も急上昇した令和ロマンですが、その活躍の場はテレビやラジオ、ネットまで多岐にわたります。テレビではTBS系の朝の情報番組「ラヴィット!」には木曜隔週レギュラーとして出演し、持ち前のトーク力で番組を盛り上げています。漫才師としての実力が認められ、バラエティ番組やトーク番組への出演依頼も増えているようです。

    ラジオ方面でも精力的に活動しており、自身の冠番組「令和ロマンのご様子」を毎週月曜22:30からインターネットラジオアプリ(stand.fm)で配信しています。この番組ではテレビでは話せないようなディープな笑いのトークを展開し、コアなファンから支持を集めています。またMBSラジオの人気深夜番組「アッパレやってまーす!」火曜日には隔週レギュラーコーナー出演者として参加しており、関西のリスナーにもその名を広めています。ラジオでは二人の素の掛け合いや漫才への熱い思いを聞ける貴重な場となっており、「トークもうまいコンビ」という評価を確固たるものにしました。

    さらに令和ロマンはYouTubeやSNSでも積極的に発信を行っています。公式YouTubeチャンネルでは漫才の動画やライブの様子を公開し、テレビで見られないネタを楽しみにしているファンも多いです。特にM-1優勝後はチャンネル登録者数が急増し、過去のネタ動画にも改めて注目が集まりました。松井ケムリは個人でも友人と立ち上げたYouTube企画「僕らの別荘」に出演しており、髙比良くるまは同期芸人と一緒にグルメ企画の配信を行うなど、コンビ以外の場でも才能を発揮しています。

    今後の展望や注目ポイント

    前人未踏のM-1連覇を成し遂げた令和ロマンは、今後さらなる高みを目指し新たな挑戦を視野に入れています。具体的な展望の一つとして挙げているのが世界への挑戦です。日本国内のみならず海外の観客にも自分たちの漫才を届けたいという思いから、国際的なお笑いフェスティバルやイベントへの参加を目標に掲げているとのことです。漫才という日本独自の笑いの形式を武器に、言語や文化の壁を越えて世界中を笑わせたい――そんな壮大なビジョンを持っているのです。また国内においても、これまで以上に新しいジャンルの漫才やコント表現に果敢に挑戦し、笑いの幅を広げていきたいと意気込んでいます。「常に新しい笑いに挑戦し続ける」という姿勢が、令和ロマンというコンビの成長を支える原動力なのでしょう。

    もちろん漫才師としての活動も引き続き精力的に続けていくはずです。2024年3月には長年拠点とした劇場を卒業しフリーに活動することを発表しており、今後は特定の劇場に縛られず全国各地でライブやツアーを行っていくとみられます。ファンにとっては各地で令和ロマンの生漫才が見られるチャンスが増えるかもしれません。さらに髙比良くるまは「いつかお笑い以外の音楽や演劇など様々な文化が交わるような新しい漫才劇場を作りたい」という大きな夢も語っています。漫才という枠組みを超えて、新たなエンターテインメントの形を創造しようという野心は、令和ロマンの将来性を感じさせるものです。もしかすると将来、自らプロデュースするライブイベントやフェスの開催など、業界をリードする存在になっていくかもしれません。

    一方で、その活動方針には独自のこだわりも見られます。令和ロマンは2023年のM-1優勝後、「テレビには基本的に出ない」と発言したことでも話題になりました。この発言は「テレビをオワコン扱いする生意気な若手」と一部から批判も受けましたが、真意としては「自分たちの芸風がテレビ向きではないと理解しているので、慎重に出演番組を選んでいる」というものでした。実際、高比良と松井は「昭和・平成の中年芸人たちが羨ましい」と公言しており、決してテレビ軽視ではなく自分達らしさを大切にした結果の戦略だったようです。このようにブレない信念を持ってメディア露出の仕方をコントロールしている点も、令和ロマンの注目すべき特徴です。もっとも、連覇達成後の現在はその知名度も飛躍的に高まったため、以前よりは積極的にメディア出演にも臨む姿勢を見せています。実際、2024年には情報バラエティ番組『ラヴィット!』への出演を決めた理由を明かすなど、戦略的にテレビとも向き合っている様子が伺えます。

    最後に、ファンが何より期待しているのは令和ロマンの「これから生まれる新ネタ」でしょう。既にM-1を連覇し一時代を築いた二人ですが、本人たちは現状に満足することなく「まだ見ぬ面白い漫才」を追求し続ける意欲を見せています。今後は賞レースから離れる分、より自由な発想でネタ作りに取り組めるはずです。どんな斬新な設定漫才や爆笑必至のしゃべくり漫才が飛び出すのか、ファンの期待は高まるばかりです。また、これだけ実力と人気を兼ね備えた彼らですから、テレビや舞台だけでなく映画・ドラマへの出演や書籍の出版など活躍のフィールドが広がる可能性もあります。特にお笑い第七世代以降の新たなムーブメントの中心として、令和ロマンが牽引役になる未来も十分に考えられるでしょう。

    令和ロマンの二人は、「第9世代」とも呼ばれる令和時代の新たなお笑いスターとして、お笑い界を牽引していく存在です。本人たちも「このまま寄席(劇場)のトリを務められるようになって、伝説の漫才師になりたい」と将来の目標を力強く語っています。磨き抜かれた漫才力と冷静な自己分析、そして常に笑いへの情熱を持ち続ける令和ロマン。連覇という金字塔にとどまらず、これからどんな伝説を生み出してくれるのか――その歩みから目が離せません。


    参考サイト

    令和ロマン プロフィール|吉本興業株式会社

    令和ロマン(れいわろまん)とは〖ピクシブ百科事典〗

    令和ロマン・くるま、“特に憧れる芸人”明かす「1番スゴい!」コンビ名にも影響「面白さだけで芸能界を上っていった」|バラエティ|ABEMATIMES|アベマタイムズ

    「あの優勝がなければコンビ解散してた」令和ロマン・髙比良くるまさんが味わった絶望|PHPオンライン|PHP研究所

    令和ロマンとは?意味をやさしく解説-サードペディア百科事典

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