ロングコートダディ特集:ゆるい笑いが魅力の注目お笑いコンビ

3/13/2025
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ロングコートダディ特集:ゆるい笑いが魅力の注目お笑いコンビ

Notion Image (File via Proxy)

お笑いコンビ ロングコートダディ は、2009年に結成された吉本興業所属のコンビです。メンバーは堂前透(どうまえ とおる)と(うさぎ)の二人。大阪のNSC(吉本総合芸能学院)31期生として出会い、卒業後に堂前が兎を誘う形でコンビを組みました。一度2012年に解散しましたが、その数ヶ月後の2013年に兎からの提案で再結成しています。結成当初のコンビ名は「カレー」でしたが、同名のコンビが東京にいたため「ソテー」に改名し、最終的に現在の「ロングコートダディ」に落ち着きました。このユニークな名前は、兎が街でロングコートを着たおじさんを見かけたことに由来するそうです。なお、「ロングコートダディ」はファンから「ロコディ」という愛称でも親しまれています。

ロングコートダディとは?(結成の背景とメンバーの経歴)

堂前透と兎はいずれも昭和末期〜平成生まれの30代前半で、NSC在学中から切磋琢磨してきました。堂前透(1990年1月16日生まれ)は福井県出身で、ネタ作りを担当する頭脳派です。学生時代に「勉強しなくて済む方法」を模索する中でNSC入学を選んだという異色の経歴を持ち、在学中からそのセンスが光っていました。一方、(1988年8月19日生まれ)は岡山県出身で、本名は高橋翔太ですが「舞台で一番跳ねるように」という願いを込めてインパクトのある一文字芸名「兎」を名乗っています。「本名がダサいから」と改名したエピソードや、候補に「桃太郎」があったという裏話からも独特のセンスが感じられます。兎は中学時代が楽しすぎたことが芸人を志した理由だと語っており、そのマイペースさが後の芸風にも繋がっているようです。

堂前と兎はNSC卒業後すぐにコンビを結成し、大阪の劇場で活動を開始しました。当初からシュールな笑いに定評があり、若手ライブで頭角を現します。2012年に一度解散した際、堂前はピン芸人「堂前タオル」としてR-1ぐらんぷりに挑戦するなど個々に活動しましたが、2013年にコンビ復活。以降は東京進出を視野に入れつつ、大阪の舞台を中心に実力を磨いていきました。再結成後のコンビ仲は非常に良好で、プライベートでも一緒に食事に行くほど。当人たちは「解散も再結成もいい経験になった」と語っており、この紆余曲折の経緯が現在の結束力に繋がっていると言えるでしょう。


芸風とスタイル(漫才・コントの特徴と代表ネタ)

ロングコートダディの芸風は一言で言えば「独特のゆるい空気感」です。【コント】も【漫才】も得意とし、力みのない脱力系の笑いで観客を包み込むスタイルを持ち味としています。ネタによって二人のボケ・ツッコミの役割は固定されず入れ替わることが大きな特徴で、シチュエーションに応じて柔軟にポジションを変えるため先の読めない面白さがあります。このゆるさと自在さから、劇場やメディアでは「笑いの常識脱ぎ捨てる! 脱力系漫才」(ytv漫才新人賞)や「見るものを和ませる ゆったり系コントワールド」(デリ芸)といったキャッチコピーで形容されたこともあります。漫才では静かな口調でじわじわ笑わせ、コントでは不思議な世界観をマイペースに展開する――そんなスローテンポだけどクセになる作風で知られています。

代表的なネタとしては、キングオブコント2022決勝で披露した料理対決コントや、M-1グランプリの漫才で見せた独創的な会話劇などが挙げられます。特にM-1グランプリ2021の決勝で演じた漫才では、堂前・兎の掛け合いから生まれた「肉うどん、食べました」というフレーズが強烈なインパクトを残しました。この何気ない一言がSNS上で話題となり、ファンから「本当に肉うどんを食べたの?(笑)」といったメッセージが本人たちに届くなど、ロコディ流のシュールな笑いが多くの人の心に刻まれました。また、ネタ全体を通して漂うほんわかとした雰囲気から「見ていると優しい気持ちになれる」と評されることも多く、激しいツッコミや大声に頼らない独自路線の漫才・コントで観客を魅了しています。


受賞歴と評価(大会での成績、お笑い業界やファンからの評価)

ロングコートダディは、結成から間もない若手時代から各種賞レースで実績を積み重ねてきました。2017年にはMBSラジオ主催の演芸コンテスト「ヤングスネーク杯」で優勝し、2019年には「上方漫才協会大賞」にて文芸部門賞を受賞しています。さらに2021年には吉本興業主催の「ゲーム実況-1グランプリ」で優勝し、漫才・コント以外のフィールドでもセンスを発揮しました。加えて2022年には、毎年恒例のネタ番組『オールザッツ漫才 真夏のゴールデンSP』内の1分ネタ頂上決戦でも堂々の1位に輝いています。このように数々の賞を受け、その才能は早い段階から高く評価されてきました。

こうした受賞歴に加え、漫才・コントの大会でも目覚ましい成績を収めています。まずM-1グランプリでは、2021年大会で決勝4位、翌2022年大会でも決勝進出(最終3位)という結果を残しました。一方、キングオブコントでも2020年に初の決勝進出(7位)を果たし、その後2022年大会で再び決勝進出(7位)。そして2024年大会では準優勝にまで上り詰めています。特に2022年に同一年でM-1とKOC両方の決勝に駒を進めたのは史上6組目という快挙であり、漫才・コント双方でトップクラスの実力を持つコンビとして一躍脚光を浴びました。

お笑い業界からの評価も非常に高く、先輩・同輩芸人から注目を集めています。銀シャリの橋本直はロングコートダディの漫才について「柔らかい感じで新しい。見ると優しい気持ちにもなれる」と絶賛しており、その独特の作風がプロの目にも新鮮に映っていることがわかります。また、2020年放送のバラエティ番組『ゴッドタン』では、若手コント師たちが集まる中でハナコ(キングオブコント2018王者)のメンバーが「好きなコント師」としてロングコートダディの名を挙げました。東京のコント勢からも一目置かれる存在となっており、実力派コンビとして業界内の評価は折り紙付きです。

ファンからの支持も年々高まっています。劇場ライブはもちろん、YouTubeなどネット上での活躍にも注目が集まっており、公式YouTubeチャンネル「ロングコートダディ和尚のゲーム念仏」の登録者数は6万人を超えるほどです。漫才・コント動画だけでなくゲーム実況など幅広いコンテンツでファンを楽しませており、その総再生回数は約1,500万回に上ります。こうした数字からも、ロングコートダディが多くのお笑いファンに支持されていることが伺えます。特にM-1やKOCのテレビ露出以降、SNS上でも「ロコディ面白い」「癖になる漫才」といった好意的な声が増えており、その人気と評価は右肩上がりと言えるでしょう。


最近の活躍(テレビ・YouTube・ライブでの活動と今後の展望)

近年、ロングコートダディは全国区での活躍の場を着実に広げています。2021~2022年の賞レースでの健闘を経て、2023年2月には長年拠点としていた大阪の劇場(よしもと漫才劇場)を卒業し、4月から本格的に活動拠点を東京へ移しました。これによりテレビ出演の機会が増え、関西ローカルのみならず全国ネットの番組にも登場するようになります。TBSの朝の情報バラエティ番組『ラヴィット!』では2023年秋から水曜隔週レギュラーに抜擢され、持ち前のゆるいトークでお茶の間に笑いを届けています。また関西テレビの競馬バラエティ『うま活』でもメインキャストを務めるなど、ジャンルを問わず様々な番組で存在感を発揮しています。

舞台活動でも勢いは止まりません。大阪から東京へ拠点を移した後も定期的にライブ出演を続け、2023年以降は関東の舞台にも積極的に出演しています。東京進出後初の単独ライブも成功させ、各地のイベントやフェスにゲスト出演する機会も増えています。YouTubeでは前述のゲーム実況チャンネルのほか、新たに短尺コント動画を発信する「ロングコートダディのミニ動画チャンネル」も開設するなど、デジタルコンテンツにも力を入れ始めました。テレビ、舞台、ネットを横断して精力的に活動する姿は、多くのファンにとって嬉しい限りでしょう。

中でも話題となったのが、2024年の『キングオブコント』で見せた快進撃です。ロングコートダディはこの大会で3度目の決勝進出を果たし、初めて最終決戦(上位3組によるファイナルステージ)まで勝ち残りました。披露した2本のコントはいずれも高得点を叩き出し、結果は僅か1点差での準優勝という惜しいところまで優勝に迫りました。優勝は逃したものの、その研ぎ澄まされたコント力に「今年一番笑った」「完成度が素晴らしい」と視聴者から絶賛の声が上がり、改めて実力と人気を示す形となりました。これだけの成果を上げたことでテレビやメディアからの注目度もさらに増し、今後は地上波での冠番組や、更なる大会制覇も期待されています。

2024年をもって結成からの漫才師キャリア(M-1グランプリ出場資格の区切りである15年)に一区切りがつきましたが、彼らは引き続き新たな笑いに挑戦し続けると意気込んでいます。東京進出により露出が増えたことで認知度も上がり、CMやドラマへの出演オファーが来る可能性も十分あります。実際、最近ではバラエティ番組のコント企画やドラマのワンシーンに登場するなど、その活動の幅を広げつつあります。ロングコートダディの「今」はまさに飛躍の真っ最中であり、お笑いファンなら今後の動向から目が離せません。


ロングコートダディの魅力(唯一無二の個性とコンビならではの強み)

数あるお笑いコンビの中で、ロングコートダディが放つ魅力は際立っています。その強みの一つは、漫才とコントの二刀流で活躍できる万能さです。漫才師として磨いたトーク技術と、コント師として培った発想力・演技力の両方を兼ね備えているため、笑いの引き出しが非常に豊富です。他のコンビでは真似できない幅広い笑いのアプローチで観客を楽しませることができる点は、大きな武器と言えるでしょう。実際、M-1とKOCの双方で結果を残しているコンビはごくわずかであり、これはロングコートダディのポテンシャルの高さを示す何よりの証拠です。

また、独特のゆるい世界観と雰囲気もロングコートダディならではの魅力です。昨今の漫才シーンでは高速テンポで畳みかける笑いが主流になる中、ロコディの漫才はあえて力を抜いたスローペースで進行し、観る者にクスッとじわじわ笑いを届けます。鋭いツッコミで畳み掛けたり大声で笑わせにかかったりするのではなく、二人の間に漂う空気感そのものがおかしみを醸し出すスタイルは「癒し系の笑い」とも評されます。銀シャリ橋本の「優しい気持ちになれる」というコメントが示すように、ロングコートダディの芸には心をほっと和ませる不思議な力があるのです。

さらに、コンビの掛け合いの妙も見逃せません。ロングコートダディはネタによってボケとツッコミが入れ替わりますが、その背景には両メンバーのスキルの高さと信頼関係があります。兎はかなりの天然ボケ気質で、時にネタ中にセリフを噛んだり間違えたりすることもあります。しかし堂前は相方の失敗を決して責めず、むしろそれすらネタにして包み込むように受け止めるため、兎自身「堂前に甘やかされているので直らない」と自己分析するほどです。このようにミスすら笑いに変える懐の深さが二人にはあり、結果として他のコンビにはないほのぼのとした味わいが生まれています。息の合ったアドリブや間(ま)の取り方にも定評があり、観客はまるで二人のゆるいやりとりを隣で盗み聞きしているかのような心地よさを感じられるでしょう。

ロングコートダディの魅力は舞台外でも光ります。前述の通りコンビ仲が非常に良く、公私ともに二人の関係性は良好です。毎年お互いの誕生日にプレゼントを贈り合う習慣があるほどで、2023年には堂前が兎にダイヤモンドをプレゼントしたという驚きのエピソードも話題になりました。ファンからすると微笑ましいこの逸話は、二人の強い絆を物語っています。こうした仲の良さは舞台上の空気にも反映されており、安心してボケられる兎と、それを受け止める堂前の信頼関係が独特の間合いと化学反応を生み出しています。

総じて、ロングコートダディの魅力とは「唯一無二の個性」と言えるでしょう。脱力系でありながら高い技術力を持ち合わせ、漫才とコントの双方で才能を発揮する稀有なコンビです。激しい笑いでなくても観客を引き込み大爆笑させるそのスタイルは、まさにロコディならではのもの。他のどのコンビとも一味違う空気感と抜群のコンビネーションで、お笑いファンを魅了し続けています。今後もさらなる飛躍が期待されるロングコートダディから、目が離せません。


参考サイト

  • ロングコートダディ - Wikipedia
  • ロングコートダディ プロフィール|吉本興業株式会社
  • ロングコートダディってどんなお笑い芸人!? 独特でゆるい空気のネタに大注目!! | お笑いラボラトリー
  • ももが目撃したロングコートダディの感動シーン!? M-1を振り返って芸人たちがウラ話披露 | FANY Magazine
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    ネタフリ編集部

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