フースーヤ特集:キャッチーなネタで中高生に人気の若手芸人コンビ

2/28/2025
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フースーヤとは?プロフィールと結成の経緯

フースーヤは、田中ショータイム(本名:田中翔太、1993年7月10日生まれ)と谷口理(たにぐち おさむ、1993年5月1日生まれ)からなる吉本興業所属の若手お笑いコンビです。2人は兵庫県神戸市出身で、高校の同級生でした。高校2年生の時、谷口が「お笑い芸人になりたい」とクラスで宣言し、それを聞いた田中が思わず彼をトイレに連れて行き「俺もやねん!! 一緒に吉本へ行こう!!」と熱烈に誘ったことがコンビ結成のきっかけです。大学在学中の2015年に2人揃ってNSC大阪校(吉本の養成所)に38期生として入学し、翌2016年4月に正式にコンビ「フースーヤ」を結成してお笑いデビューしました。

Notion Image (File via Proxy)

コンビ名の「フースーヤ」というユニークな名前は、実は人気ゲーム『ファイナルファンタジー』シリーズのキャラクター名に由来しています。NSC入学当初は「クレイジーダイヤモンド」「アマテラス」といった名前で活動していましたが、他に同名の芸人がいたこともあり改名を検討。ゲーム好きの谷口が提案したユニークな響きのキャラクター名の中から、田中が「適当に決めてくれ」と任せた結果、「フースーヤ」に決定しました。文字の並びの珍しさが気に入り、「珍しいネタをする変なコンビと思ってもらえるだろう」という意図も込められたそうです。こうした経緯から生まれた名前も含め、結成当初からただ者ではない雰囲気を漂わせていました。


芸風・ネタの特徴

フースーヤの芸風は、一度見たら耳に残る「リズムネタ」とインパクト抜群のギャグが持ち味です。漫才でもコントでも、刑事や寿司職人といったオーソドックスな設定の中に突然リズミカルなボケや一発ギャグを強引にねじ込んでいくのが特徴で、展開次第では2人ともボケ役に回るような独特のノリがあります。ネタのクライマックスではポーズを決めながら「オーマイゴッドファーザー降臨!」「ナッシングトゥーマッチ!」「ジョージ・クルーニー卵とじ」といった意味不明だけれど妙にクセになるフレーズを次々と応酬し合います。かつてはその後に2人で声を揃えて「ヨイショー!!」と締めるのがお約束でしたが、現在ではテンポ重視のため省略され、田中が「もうええわ!」や「いい加減にしろ!」とツッコミ風に締める形が主流です。

これらのフレーズには文字通り深い意味はなく、谷口曰く「意味不明なものを、ただ衝動に任せてぶつけてるだけ」なのだそうです。ネタ作りにおいては「意味は分からないけど、なんか面白い」言葉の組み合わせを狙って考えているとのことで、まさに耳触りの良い言葉遊びで笑いを取るスタイルを確立しています。他の漫才師のように明確なボケ・ツッコミの役割分担がほとんどなく、2人がひたすらノリでボケ倒すようなスタイルは、自ら「ノリツッコまない漫才」と称することもある独自の境地です。こうした唯一無二のギャグ漫才で、観客の心を掴んで離さないのがフースーヤの魅力と言えるでしょう。


人気の理由とブレイクのきっかけ

フースーヤがここまで人気を博している理由には、彼らのネタのキャッチーさとSNS時代にマッチした拡散力が挙げられます。デビュー直後の2016年末、フジテレビの若手芸人発掘番組『新しい波24』に出演したことをきっかけに中高生を中心に知名度が急上昇しました。リズムに乗せて連発される「ナッシングトゥーマッチ!」「オーマイゴットファーザー降臨!」「ヨイショ!」といったクセになるフレーズが「何度でも真似したくなる」と話題になり、ネタ動画がYouTubeで累計100万回以上再生されるバズり方を見せたのです。実際、「中学生の時から口ずさんでいた言葉が、10年経って花開きました」と本人たちが語るように、自分たちが学生時代に思いついて楽しんでいた言葉遊びがSNS世代に刺さった形です。

その勢いに乗り、2017年秋から始まったフジテレビ系バラエティ『AI-TV』ではレギュラーに抜擢。番組内で元SMAPの中居正広さんや乃木坂46の齋藤飛鳥さんら国民的スターとコラボネタを披露するなど、一躍「いま勢いがある芸人」として脚光を浴びました。またSNSでも彼らのギャグは拡散され、中高生だけでなく「何だか意味は分からないけど笑える!」というライト層の心も掴み、老若男女に存在を認知されていきました。デビュー2年目にしてこれだけのブレイクを果たした背景には、テレビとネットの両面で話題を巻き起こした拡散力の強いネタの力があったと言えるでしょう。


影響を受けた芸人たちとお笑いのルーツ

唯一無二のスタイルを持つフースーヤですが、そのお笑いのルーツには様々な芸人の影響があります。2人それぞれ憧れている芸人は多くいるものの、共通して昔から好きだったのは漫才コンビのナイツだと語っています。ナイツは言葉遊びや独特のボケツッコミで知られる漫才師ですが、フースーヤもまた言葉のセンスで笑わせる点にシンパシーを感じていたのかもしれません。また、2人はまさに『爆笑レッドカーペット』世代であり、同番組で活躍していた様々なタイプの芸人から影響を受けて育ちました。一発ギャグやキャラ芸人が多数登場したレッドカーペットを見ていた経験が、現在の「なんでもアリ」のギャグ志向につながっているようです。

具体的に憧れのギャグ系芸人として名前が挙がるのは、田中がオジンオズボーンの篠宮暁さん、谷口はFUJIWARAの原西孝幸さんです。篠宮さんは一発ギャグの名手、原西さんも数々の持ちギャグで知られる存在で、フースーヤの2人はそうした先輩芸人のギャグセンスに大きな刺激を受けてきたといいます。その他にも幼少期からお笑い番組を貪るように見て育った彼らは、王道の漫才師から尖ったコント師まで幅広くリスペクトしており、そのエッセンスを自分たちのネタに昇華しているのでしょう。好きなものを貪欲に吸収する姿勢が、現在のフースーヤ独自の笑いを生み出す土壌になっていると言えるかもしれません。


現在の活動・主なテレビ出演歴

派手にブレイクした2017年以降、一時はテレビ露出が落ち着いた時期もありましたが、その間フースーヤは大阪の劇場を拠点に着実に実力を磨いてきました。初テレビ出演となった『新しい波24』ではナインティナインの岡村隆史さんに「イチオシ」と絶賛され、『本能Z』(CBCテレビ)出演時には今田耕司さん・東野幸治さんらベテランに「これが漫才か!」と驚かれるなど、デビュー直後からその強烈な芸風で業界内でも注目を集めました。また2017年5月には公式YouTubeチャンネル「フースーヤチャンネル」を開設し、ちょうど同日に『めざましテレビ』で“新感覚漫才”として特集されるなどメディア露出も話題に事欠きませんでした。さらに同年7月には日本テレビの『ナカイの窓』「ネットで火がついた人SP」に出演し、SMAP出身の中居正広さんと即興コラボネタに挑戦するなど、テレビでも爪痕を残しています。

その後しばらくは地道な劇場ライブを中心に活動していましたが、漫才の腕を磨き続けた結果、近年再び華々しい成果を挙げています。漫才コンクールでの躍進がその最たる例で、2023年には漫才日本一を決めるM-1グランプリで初の準決勝進出を果たし、翌2024年には由緒あるNHK上方漫才コンテストで見事優勝を収めました。さらに読売テレビ主催の漫才新人賞でも2022年・2023年と連続で決勝進出を果たしており、関西のお笑い賞レースで着実に結果を残しています。テレビ番組では、現在も大阪を拠点に毎日放送『せやねん!』や朝日放送『なるみ・岡村の過ぎるTV』といった関西ローカルの人気バラエティに不定期出演するほか、サンテレビの新感覚バラエティ『ワチャラチャ忍忍』ではレギュラーを務めるなど精力的に活動中です。またラジオ大阪の番組『サクラバシ919』では金曜パーソナリティを担当し、自身のトークや趣味(ゲーム実況など)を活かした一面も見せています。このようにテレビ・ラジオ・舞台と多方面で活躍しつつ、YouTubeやTikTokなどのネット媒体にもコンテンツを発信し、幅広い層のファンを楽しませています。


今後の展望や目標

デビューから数年が経ち、話題性だけでなく確かな実力派として評価され始めたフースーヤですが、本人たちは現状に満足することなく更なる高みを目指しています。インタビューでは「今年に入ってからこれまで以上にネタを作り、舞台にかけてブラッシュアップしている」と語っており、受賞歴に慢心せず貪欲に漫才を磨き続ける姿勢がうかがえます。田中ショータイムさんは漫才について「やっていてつくづく思うんですけど、漫才には果てがない。いつまでいっても終わりがない。『これでいい』と思ったら、それはもうこの世界を去る時だと思っています」と語っており、現状に安住した時点で芸人を辞める覚悟さえ示しています。この言葉からは、笑いに対する真摯な探究心と覚悟が伝わってきます。

直近の目標として、彼らは地元・関西の賞レースである「ytv漫才新人賞」での優勝や、念願のM-1グランプリ決勝進出を掲げています。実際に「優勝しかない。それだけを考えています」と語るなど、賞レースに懸ける意気込みは並々ならぬものがあります。その一方で、TikTokなど新しいプラットフォームにも挑戦を続けるなど、時代に合わせた発信にも貪欲です。テレビで全国区の人気者になるだけでなく、「劇場で磨いたネタで笑いを極めたい」という職人気質な一面も持つフースーヤ。唯一無二のスタイルを武器に、これからさらにお笑い界で飛躍していくことでしょう。その歩みから目が離せません。


参考サイト

  • 「口が気持ちいい言葉」芸人がいた!中高生から人気の「フースーヤ」
  • フースーヤ - Wikipedia
  • 神戸市出身のお笑いコンビ「フースーヤ」が神戸市同窓会「BE KOBE #25」の特別実行委員長に就任! | 神戸市のプレスリリース
  • フースーヤ プロフィール|吉本興業株式会社
  • そうなったら、この世界を去る時。「フースーヤ」が胸に秘める覚悟 | マイナビニュース
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    ネタフリ編集部

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