男性ブランコ特集 – 独創的コント芸人コンビのプロフィール・魅力と活躍

3/13/2025
共有:
TwitterLINEFacebook

男性ブランコは、吉本興業に所属するお笑いコンビです。2011年にコンビ結成し、主にコント(コント芸人)を得意としつつ漫才にも挑戦する“二刀流”スタイルが特徴です。近年ではキングオブコント2021で準優勝、M-1グランプリ2022では決勝進出(4位)を果たし、その実力が全国区で注目されています。

コンビのプロフィール

男性ブランコは浦井のりひろ(うらい のりひろ)と平井まさあき(ひらい まさあき)からなるコンビです。二人は滋賀県の大学演劇サークルで出会い、共にコントユニット「ラーメンズ」のファンだったことから一緒にコントを創作し始めました。2011年に正式にコンビを結成し、吉本興業の大阪NSC33期生として芸人の道を歩み始めます。コンビ名「男性ブランコ」の由来は、ネタ合わせ中にたまたま大阪・西成の公園のブランコに二人で座っていたことから。「大の大人である男性2人が全力でブランコを漕ぐように、バカバカしくも楽しいお笑いをしよう」というコンセプトで命名されたと語られています。

結成当初は大阪で活動し、5upよしもと(現・よしもと漫才劇場)などの舞台に出演していました。しかし漫才中心の劇場体制の中でコント師として模索する日々が続きます。転機となったのは共演経験のある南海キャンディーズ・山里亮太からの「コントをしたいなら東京に出てきたら?」という助言でした。背中を押された二人は2017年に拠点を大阪から東京へ移し、本格的にコント活動に打ち込むことを決断します。東京では新宿のヨシモト∞ホールを中心にライブ出演を重ね、実力派若手として頭角を現しました。2021年には同ホールの看板芸人「ムゲンダイレギュラー」に抜擢されるなど躍進を遂げています。

メンバーそれぞれの経歴にも触れておきましょう。ツッコミ担当の浦井のりひろは京都府京都市伏見区出身で、小道具作りも担当する几帳面さを持ち合わせています。一方、ボケ兼ネタ作り担当の平井まさあきは兵庫県豊岡市出身で、その独特な発想力がネタ全体の世界観を形作っています。大学時代の演劇経験や、多彩な趣味・特技(浦井はプラモデル制作や卓球、平井は水族館巡りや卓球など)も彼らの芸に活かされており、コンビの個性形成に一役買っているようです。


芸風の特徴と魅力

男性ブランコの芸風は一言で言えば「演劇的コント」です。二人ともメガネをかけた落ち着いた風貌ながら、そのネタは大胆で独創的。主にコントを演じますが漫才をすることもあり、コントでは一字一句まで綿密に台本を作り上げる一方、漫才はほとんど台本を用いないフリートークに近いスタイルで挑むという柔軟さも持ち合わせています。関西出身のコンビですが、ネタによって関西弁と標準語を使い分けるなど、設定に応じた細かな演出にもこだわりが見られます。

平井の生み出す独特な言い回しやボケ設定と、浦井の諭すような優しい口調のツッコミとの掛け合いが男性ブランコならではの空気感を生み出しています。普通ならツッコミ役が激しく突っ込む場面でも、浦井はどこか穏やかに受け止めて次に繋げるため、そのギャップが笑いにつながることも多いです。例えるなら、常識人に見える二人がシュールな世界観の中でじわじわとボケとツッコミを展開し、観客を不思議な物語に引き込んでいく感覚です。実際、彼らのネタには童話のようなファンタジーさとシュールさ、そしてどこか文学的な香りすら漂っています。ヨシモト∞ホールのスタッフも「独創派ダブルメガネコント師」の異名を持つ彼らのネタにはタイトルや演出など細部までこだわりが感じられ、その文学的センスに魅了されるファンも多いと評しています。

その芸風の背景には、彼らが影響を受けたジャンルや芸人の存在があります。前述の通り大学演劇で出会った二人は、演劇的コントで人気を博したラーメンズのファンでした。さらに劇作家の後藤ひろひと氏や演劇ユニットの第三舞台、落語家の立川志の輔氏などからも刺激を受けているといいます。こうした演劇・落語的素養が、男性ブランコのネタに独特のストーリー性や語り口を与えているのでしょう。他の芸人との違いを挙げるなら、派手な見た目や高速の掛け合いで笑わせるというよりは、緻密に作り込まれた設定と言葉選び、そして二人が醸し出す真面目さとバカバカしさのギャップで笑わせる点にあります。その独自性ゆえに「男性ブランコというジャンルが好き」とまでファンに言わしめる唯一無二の存在感を放っています。


代表的なネタ・コント

数あるネタの中でも、男性ブランコを語る上で外せない代表作をいくつか紹介します。コント芸人としての持ち味と漫才での意外な一面、その両方を垣間見ることのできるネタが揃っています。

  • 「音符運び」
  • 「ボトルメール」
  • 「消しなさい!」
  • この他にも、「シャンプー買い忘れた」や「マチコちゃんと花」などユニークなタイトルのネタが彼らの公式YouTubeで公開されており、いずれも男性ブランコらしい世界観を楽しめると好評です。ネタ作りに関して裏話をすると、男性ブランコのコントは前述の通り台本を一言一句まで作り込むスタイルのため、ネタによっては小道具から演出まで自分達で細部を準備し、まるで短編演劇を作り上げるような過程を経ているそうです。その職人的なこだわりがあるからこそ、見る者の心に残るネタが次々と生み出されているのでしょう。


    受賞歴と実績

    若手時代からコツコツとキャリアを積み上げてきた男性ブランコは、さまざまな賞レースで実績を残しています。結成2年目の2013年には第14回新人お笑い尼崎大賞で大賞を受賞し、早くも頭角を現しました。以降、キングオブコントには2010年から毎年のように挑戦し、2015年には準決勝進出、そして2021年についに念願の決勝初進出を果たします。キングオブコント2021では1本目のコント「ボトルメール」で高得点を叩き出し、最終的にザ・マミィと同点で準優勝に輝きました。この快挙は彼らが「不遇の天才第7世代」と評されてきた中での大きな飛躍となりました。翌2022年のキングオブコント2022では優勝候補に挙げられながらも惜しくも準々決勝敗退となりましたが、同年出場した漫才の大会M-1グランプリ2022では初の決勝進出を果たします。決勝本番では独創的な漫才「音符運び」で笑いをさらい、結果は4位と健闘しました。審査員の松本人志氏からは大会通じて最高点となる96点を付けられるなど評価も高く、今後のさらなる飛躍を予感させる戦いぶりでした。

    この他にも、2021年には感動系ネタのコンテスト「エモネタ王決定戦」で優勝(第2回)、2022年には社会貢献をテーマに笑いを競う「SDGs-1グランプリ」で優勝するなど、お笑い以外の切り口の大会でも結果を残しています。2023年には第八回上方漫才協会大賞で特別賞を受賞し、関西のお笑い界からもその活躍を評価されました。さらに、東京進出後はテレビやラジオ、配信番組への出演も増え、現在の代表的なレギュラー番組としてTBS系の情報バラエティ「ラヴィット!」で平井が全国各地の水族館を紹介する冠企画コーナーを担当するなど、多方面で活躍の場を広げています。


    男性ブランコの魅力と今後の展望

    男性ブランコの魅力は、なんといっても唯一無二のコント世界と二人の人柄から滲み出る安心感にあります。スーツ姿で真面目そうに見える二人が、一筋縄ではいかない不思議な設定の物語を繰り広げるギャップは観客を惹きつけてやみません。「市役所職員みたいに真面目そう」と形容されることもある彼らですが、その真面目さと奇想天外な発想との融合が笑いを生み、「男性ブランコにしか作れない物語」を作り出しています。緻密なネタ作りによって生まれる独特の世界観は観る者をブランコに乗ったように揺さぶり、終わった後にも強い余韻を残します。そのため一度ハマったファンは熱狂的に支持し、「次はどんな物語を見せてくれるのか」と期待し続けるのです。

    また、舞台でのコントだけでなくトークや大喜利などでも安定した実力を発揮できるオールラウンダーである点も彼らの強みです。実際、劇場スタッフからも「ネタ職人のイメージが強いが、どんな企画でも男性ブランコが出ていれば成立してしまう安心感がある」と太鼓判を押されています。このように芸に対する真摯さと柔軟さを併せ持つ男性ブランコは、お笑い界でも貴重な存在感を放っており、同業の芸人やスタッフからの信頼も厚いコンビです。

    今後の展望として、男性ブランコにはさらなる飛躍が期待されています。すでにキングオブコントとM-1という二大賞レース双方のファイナリストとなり(史上13組目の快挙)、コント師としても漫才師としてもトップクラスの実力を示した彼らだけに、今後は両大会での優勝を狙える有力株と言えるでしょう。本人たちも「将来の目標はコントで全国を回って食べていけるようになること」と語っており、精力的に全国ツアーライブを開催したり新作コントを発表したりする姿が目に浮かびます。実際、東京進出当初から続けてきた定期単独ライブでは着実にファン層を拡大し、各地での公演開催やテレビ出演の機会も増えています。これまで培ってきた演劇仕込みの表現力と笑いのセンスを武器に、男性ブランコはこれからもお笑い界で独自のポジションを築いていくことでしょう。その飾らない人柄と唯一無二の芸風で、観る者を驚かせ笑わせてくれる男性ブランコの今後の活躍から目が離せません。


    参考サイト

  • 男性ブランコ - Wikipedia
  • 男性ブランコ プロフィール|吉本興業株式会社
  • ヨシモト∞ホール的「男性ブランコ」の自己他己紹介〖キングオブコント2021応援企画〗|月刊芸人
  • “男性ブランコ”という“ジャンル”が好き。|おひふ
  • この記事を書いた人

    著者アイコン

    ネタフリ編集部

    芸人の公式YouTubeのネタまとめ、気になる芸人の特集記事をお届けします。