【コロチキ特集】ナダルと西野の異色お笑いコンビの魅力

2/27/2025
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お笑いファンなら一度は耳にしたことがあるであろうコロコロチキチキペッパーズ(略称:コロチキ)。2012年4月結成、吉本興業所属のコンビで、第8回「キングオブコント2015」の王者として一躍脚光を浴びました。メンバーはボケ担当(ネタによってはツッコミも務める)のナダル(本名:相浦英樹)と、ツッコミ担当(時にボケ)でネタ作りも担う西野創人(にしの そうと)です。ナダルは1984年12月23日生まれの40歳、京都府南山城村出身(出生地は山形県)で、爽やかな高い声が特徴。西野は1991年9月21日生まれの33歳、大阪府豊中市出身で、コンビの頭脳としてネタ作成を一手に引き受けています。本特集では、コロチキの魅力を基本情報からブレイクの裏側、コンビ仲や現在の活躍、そして今後の展望までたっぷり紹介します。“やっべぇぞ!”なエピソード満載でお届けします!

Notion Image (File via Proxy)


コンビ結成のきっかけと基本情報

コロコロチキチキペッパーズの2人は大阪NSC(吉本の養成所)33期生の同期として出会いました。NSC在学中は同じクラスで仲が良かったものの、途中のクラス編成で成績優秀な西野がAクラス、ナダルが最下位のCクラスに分けられて以降、それぞれ別のコンビを組んで活動していました。ナダルはCクラスでも特に下位の「C4クラス」に所属し、週一回の発声練習しか授業がない状況で、当時の唯一の楽しみはバイト先で出る賄い飯だったというエピソードもあります。やがてお互いのコンビが解散し、新たな相方探しに難航した西野が最後の頼みの綱で声をかけたのがナダルでした。西野からの「コンビ組まへんか?」という誘いにナダルが応じ、2012年に現在のコンビが誕生したのです。意外なようで必然だった2人の再会――まさに“運命的”な結成秘話と言えるでしょう。

ところでインパクト抜群のこのコンビ名、「コロコロチキチキペッパーズ」は一度聞いたら忘れられませんよね。実はその由来はアメリカのロックバンドレッド・ホット・チリ・ペッパーズから来ています。西野曰く、レッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズの愛称)のように自分たちも略称で呼ばれる存在になりたいとの思いから、あえて長いコンビ名にしたのだとか。狙い通りファンからは「コロチキ」の愛称で親しまれ、今ではお笑い界でもすっかり浸透しています。


ブレイクのきっかけと代表的なネタ

結成からわずか3年、2015年にコロチキは大きな転機を迎えます。TBS主催のコント日本一決定戦「キングオブコント2015」で初の決勝進出にして見事優勝を果たし、一夜にしてスターダムを駆け上がりました。当時無名の若手だった彼らが2455組の頂点に立ったのですから、その衝撃は計り知れません。優勝が決まった瞬間、感極まって涙ぐむナダルは「めちゃめちゃ嬉しいです。優勝は絶対にやっべぇぞ!!」と自身の持ちギャグで喜びを爆発させました。この“やっべぇぞ!”は大会直後から視聴者の間で大流行し、瞬く間にコロチキの代名詞となりました。調子に乗った(?)ナダルは同年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にも「やっべぇぞ」を狙って意気込むも、50語のノミネートに漏れて落胆したというオチまでついています。とはいえ、今でもテレビでこのフレーズを聞けば多くの人がコロチキを思い浮かべるほど、強烈なインパクトを残したのは間違いありません。

もちろんコロチキの魅力は“やっべぇぞ”だけではありません。キングオブコント決勝で披露したコント「卓球」も彼らの代表ネタとして語り草です。ネタ中で使用したアニメ『まもって守護月天!』の主題歌「さぁ」(SURFACE)を無断でBGMに流したところ、偶然それを知ったSURFACEのボーカル椎名慶治さんがTwitterで反応し、後日コロチキの単独ライブにスペシャルゲストとして出演、公認までしてくれたというハプニングまで起きました。さらに原作者の桜野みねね先生も自身のブログで好意的なコメントを寄せるなど、お笑いファン以外からもネタが注目される展開に。こうしたエピソードも含め、コロチキのコントは型破りで予測不能、“何が起こるか分からない”ワクワク感があります。西野の発想力と演出、ナダルの独特な存在感が組み合わさり、笑いの相乗効果を生んでいるのです。西野創人はコンビのネタ作り担当として卓越したセンスを発揮し、緻密に計算されたコントで栄冠を勝ち取りました。一方、ナダルも自身のキャラクターを活かしたボケで観客を沸かせ、優勝という結果につなげました。まさに二人三脚で勝ち得た快挙と言えるでしょう。

また、ナダルには“やっべぇぞ”以外にもユニークな持ちギャグがあります。その一つが「イっちゃってる!」です。右手の人差し指を立てて顔の横にかざし、寄り目で歯茎をむき出しにしながら「い~っちゃってる」と放つこのギャグは、本人いわくテンションによって微妙にフォームが変化するこだわりぶり。内容的には「やっべぇぞ」に通じるものがあり、場の空気をガラッと変える“一発逆転”の切り札として乱用……もとい多用されています。とはいえ、ハマらなかった時には共演者から「そんなんいらんねん」と冷たくツッコまれるのがお約束というのもご愛嬌。こうしたナダルのネタ(=ナダル発のギャグ)は賛否両論を呼びつつもクセになると評判で、コロチキの舞台をより一層賑やかに彩っています。


ナダルと西野の個性&コンビ関係性

コロチキの面白さの秘密は、何と言ってもナダルと西野それぞれの強烈な個性の化学反応にあります。まず、ナダルは見た目は朴訥とした青年ですが、その言動は“クズ芸人”とも称されるほど破天荒です。テレビ朝日の人気番組『アメトーーク!』では「ナダル・アンビリーバボー」という企画が組まれ、ナダルの信じられない言動エピソードが次々暴露されたほど。例えば先輩に失礼な発言をしてしまった話や、言い訳ばかりする様子など、「お前ほんまに芸人か!?」とツッコまれるナダルのネタが枚挙に暇がありません。しかし不思議と憎めないのがナダルのキャラクター。爽やかな美声で放たれる「やっべぇぞ」や、どこか間の抜けた表情で繰り出すボケに、周りの芸人たちもつい笑ってしまうのです。「テレビではクズキャラで脚光を浴びるナダルだが、実は真面目な一面もある」というギャップも本人のエッセイで語られており、単なる悪人ではない“愛されクズ”ぶりがファンの心を掴んでいます。

一方の西野創人は、相方をいじり倒すプロデューサー気質のツッコミ役です。ネタ作りを担う頭脳派であると同時に、実はかなりの自信家でもあります。西野は「自分の得意なことを伸ばす方がええ」という信念を持っており、かつては漫才(苦手分野だと思っていた)よりコントに専念していました。しかし後輩の霜降り明星がM-1で快進撃を見せるのを目の当たりにし、「自分たちも漫才に挑戦しよう」と考えを改めたエピソードもあります。そんなポジティブで前向きな西野だからこそ、ナダルという“原石”をうまく輝かせることができたのかもしれません。実際、コンビ結成後しばらくして西野は「ナダルはヤバい奴」というネタを周囲に話し始めました。『アメトーーク!』の番組オーディションで、西野が「うちの相方ナダル、マジでやばいんです」とエピソードを披露したところ大ウケし、それを機に彼はナダルの“クズエピソード帳”をつけ始めたそうです。西野プロデューサーによるキャラ強化計画が功を奏し、ナダルのヤバい話は業界内でも評判に。先輩芸人たちも面白がってナダルをいじるようになり、今やバラエティで見ない日はないほどの愛されキャラになりました。この構図、どこか「鬼教官と問題児」のバディものを彷彿とさせますね。西野が黒幕的にネタを仕込み、ナダルが見事に期待に応える——二人の信頼関係があるからこそ成り立つ芸風です。

そんな二人ですが、プライベートではどうなのでしょうか?実はコンビ仲は良好そのもの。ナダルは2022年に初の著書『いい人でいる必要なんてない』を刊行しましたが、その中で西野への感謝と愛情を綴っています。西野からナダルへ宛てた手紙も本に掲載されており、ナダルは「家で読み返してこっそり泣いた」と明かすほど胸を打たれたそうです。テレビでのギスギスしたやり取りは演出半分(もちろん本気のケンカに見える時もありますが…)、根底には10年以上連れ添った相方へのリスペクトがあります。西野もまた「ナダルは相方として最高におもろい存在」と公言しており、ナダルの暴走含めてコンビの芸だと受け止めているようです。お互いを理解し合っている二人だからこそ、舞台でも遠慮なしにボケ・ツッコミの応酬ができるのでしょう。コロチキは見た目のイロモノ感に反して実は堅固なコンビ愛で結ばれた二人組なのです。


現在の活動とメディア出演状況

キングオブコント優勝後、コロチキは活動拠点を大阪から東京へと移し(2016年4月)、全国区の活躍を見せています。テレビでは多数の人気番組に引っ張りだこで、レギュラーからゲストまで幅広く出演中です。たとえばコンビ冠番組として奈良のKCNファミリーチャンネルで放送中の『コロコロチキチキペッパーズの「やっべぇぞ!!」』があります。地方局ながら2015年から続く長寿番組で、コロチキらしい体当たりロケ企画が好評です。また2023年からはネット番組『やっべぇぞキッチン』(au PAYマーケット配信)もスタートし、新たな笑いに挑戦しています。テレビ東京系『ピラメキーノ』のコーナー出演や、読売テレビ系『大阪☆春夏秋冬≪カタヤブリ≫』のMCなど、過去には子供向け番組やローカル番組でも活躍しました。現在では全国ネットのバラエティ番組にも頻繁に登場し、日本テレビ系『有吉の壁』やテレビ朝日系『アメトーーク!』、フジテレビ系『さんまのお笑い向上委員会』などで笑いを届けています(※特に『水曜日のダウンタウン』(TBS)ではナダルの単独企画がたびたび放送され、番組の名物コーナー化しています)。さらにTBSラジオ『ねむチキ』ではレギュラーパーソナリティを務め、深夜ラジオで独特のゆるいトークを展開中です。MBSラジオ『イマドキッ』にも出演するなど、ラジオでもマルチに活躍しています。

オンラインの分野でも精力的です。YouTubeでは公式チャンネル「よろチキチャンネル」を開設し、コントやドッキリ、トーク企画など多彩な動画を配信しています。特にナダルが先輩芸人に無茶ぶり電話をするシリーズや、西野考案のドッキリ企画はファンの人気コンテンツとなっています(ナダルのリアクション芸がここでも炸裂!)。2020年以降、お笑い芸人がYouTubeで再ブレイクする流れの中、コロチキもいち早く参入してファン層を拡大しました。「テレビでは見られないコロチキの日常の顔が見られて嬉しい」「ナダルさん実はいい人なのが伝わってくる」といったコメントが寄せられ、動画再生数も順調に伸びています。劇場ライブにも積極的で、ルミネtheよしもとやよしもと幕張イオンモール劇場などの定期公演に出演し、新作漫才やコントを披露しています。実はコロチキの2人、元々「漫才がやりたくて芸人になった」経緯があり、コント師として評価されつつも漫才への情熱を持ち続けています。そのため優勝後も漫才の腕を磨き、M-1グランプリにも毎年のように挑戦しているのです。結果は3回戦進出や準々決勝進出止まりで、まだM-1の決勝舞台には届いていませんが、漫才にも磨きをかける姿勢はファンからも「いつかM-1でもやってくれるはず!」と期待されています。こうした多方面へのチャレンジ精神が、現在の安定した仕事量とメディア露出につながっていると言えるでしょう。

ちなみにナダルはピン芸人日本一を決めるR-1グランプリへの意欲も見せており、2016年には「キングオブコントに続きR-1も優勝して“2冠”獲りたいです!」と宣言して話題になりました。結果的にR-1での優勝には至っていませんが、ピンネタにも果敢に挑む姿から彼の芸へのストイックさがうかがえます。一方、西野も俳優業に挑戦したり(ドラマのワンシーンに本人役で出演するなど)、近年では筋トレにハマって肉体改造を遂げたりとマルチな一面を見せています。芸人仲間から「筋肉留学でもしてたんか!?」とイジられるほど体を鍛え上げた西野は、トークでも筋肉ネタを披露し笑いを取るなど新境地を開拓中です。テレビ・ラジオ・ネット・ライブとフィールドを問わず活動するコロチキは、まさに現在のお笑い界を象徴するような“マルチプラットフォーム芸人”と言えるでしょう。


今後の展望とファンの声

デビューから早10年以上が経過し、中堅芸人の仲間入りをしたコロコロチキチキペッパーズ。気になる今後の展望ですが、まず注目は漫才での更なる飛躍です。前述のとおり近年は毎年M-1グランプリに参戦し手応えを掴みつつある彼らだけに、「キングオブコントに続いてM-1でも決勝進出、そして優勝を狙いたい」という野望があるはずです。実際、西野は「霜降り明星の活躍に刺激を受けた」と語り、漫才にも本腰を入れるようになりました。結成から15年未満ならM-1出場資格があるため(※2027年頃まで可能)、その間に悲願のタイトルを手にしてくれるかもしれません。さらにコンビとしてのテレビ冠番組を地上波で持つことも期待されています。現在の冠番組はローカルやネット番組ですが、深夜枠でもゴールデンでも「コロチキならでは」の企画で全国のお茶の間を沸かせてほしいところです。例えばナダルの無茶ぶりロケや西野の仕掛けるドッキリ企画など、YouTubeで培った企画力をテレビでも発揮できれば、新たなファン層を取り込めるでしょう。

本人たちは謙遜しますが、業界での評価も上々です。キングオブコント優勝直後は「一発屋で終わるのでは?」という声も一部にありました。しかし彼らは見事にそれを覆し、バラエティタレントとして定着しました。ダウンタウンの松本人志氏をはじめ多くの大御所がナダルのキャラクターを面白がり、番組で積極的に起用していますし、同期の芸人たちからも「コロチキのコンビ芸は完成されている」と一目置かれています。特にナダルの存在感は唯一無二で、「あのイジられ芸は天才的」「どんな無茶振りにも応えるリアクション芸人」と評判です。ファンの声を拾っても、「ナダルさんのリアクションは何度見ても笑える」「西野さんのツッコミのキレ味最高」といった好意的な意見がほとんど。ときには「実は西野の方が腹黒キャラなんじゃ?」なんてイジりも含めて、ファンはコロチキのやり取りを愛しています。2022年に行われた単独ライブでもチケットは即完売し、会場には「ナダル~!やっべぇぞやってー!」と定番ギャグを求める大歓声が飛び交いました。あまりの反響にナダル本人が「地方じゃスベるのに、こんな大観衆に求められるなんて…やっべぇぞ!」と驚いたというエピソードもあるほどです。このようにファンの熱量も依然高く、彼らの一挙手一投足に注目が集まっています。

最後に、そんなコロチキから目が離せない理由をまとめましょう。破天荒だけど憎めないナダル、しっかり者に見えて実はイタズラ好きな西野――この正反対な二人が織り成す笑いは唯一無二です。結成のドラマチックな経緯や「キングオブコント優勝」という輝かしい実績に甘んじることなく、常に新しい笑いに貪欲な姿勢も彼らの魅力。【キングオブコント優勝】【コロチキ】【ナダル ネタ】【西野 コント】といったキーワードで検索すれば、彼らの伝説的なネタや爆笑エピソードが次々ヒットします。それらを紐解いていくと、「やっぱりコロチキって凄い!」と再認識させられるはずです。これからもテレビやYouTubeで我々を楽しませてくれるであろうコロコロチキチキペッパーズ。次なる野望は“M-1制覇”か、それとも全く想像もつかない新ジャンルへの挑戦か!? いずれにせよ、ファンとしては彼らの活躍を追い続け、一緒に「やっべぇぞ!」と笑える日々を楽しみにしています。コロチキの今後に、要注目です!


参考サイト

コロコロチキチキペッパーズ - Wikipedia

コロチキ史上最速初優勝 「やっべ~ぞ」/芸能/デイリースポーツ online

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